湿度センサーは大気中や一定の空間の湿度を計測する装置です。湿度とは、空気中に含まれる水蒸気の量を表す比率のことで、皮膚感覚でも湿度の高い、低いを感じることが可能です。家庭や職場でも熱中症や感染症予防のために湿度計を備えているところは多いですが、産業界で使われる湿度計はそれよりもかなり細かな湿度を計測することが可能です。一般的にはあまり馴染みのない産業用の湿度計ではありますが、食品や機械の加工や保存をする上でなくてはならない装置といえるでしょう。
湿度計は気象計測をはじめ研究開発、食品製造、工業製品製造、農業、倉庫管理など幅広い分野で使われています。形状もハンディタイプからモジュールタイプ、ケーブル型、ブロータイプなど様々で用途に合わせて使い分けることになります。最も重要なのがセンサー部分で、電気信号を抵抗で測る高分子抵抗式、電気信号を電気容量で測る高分子静電容量式の2つがあります。どちらのセンサーも感湿材料を電極ではさむ構造ですが、抵抗の測り方に違いがあります。
現在は世界的に高分子静電容量式がスタンダードとなっていますが、それぞれに異なるメリット、デメリットがありますのでご紹介します。高分子抵抗式は価格が安く、構造が単純で大量生産が可能ですが、10~20%以下の低湿度は測定が困難です。一方の高分子静電容量式は反応がスピーディーで低温から高温までの環境に対応できますが、ノイズに弱い面があります。